第13話 死神をかばった日











「河原君!ちょっと、速いよ。」


「いいから早く!」


「いつもお弁当は1人で食べてたじゃないか。」


「今日だけは重本と一緒に食べるんだよ。」


「いや僕としては嬉しいんだけどさ。
どこまで行くんだよ~。」


「いいから。」



始業式のあと、担任から主に2年生の年間スケジュールや進路の話があったり、

ほとんどHRのような時間で午前中が終わり、午後からはさっそく授業に入る。


だけどそんなことより、

俺の頭の中は始業式直後の長田との会話で頭がいっぱいだった。





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「君、死神に憑かれてるのかい?」


「は!?憑かれてない。」


「君には死相が見えるよ。」


「さっきから何訳の分からないこと言ってるんだよ。
ていうかお前誰だよ。」


「だから長田だと言っているだろ。」


「名前じゃないって!
初対面でいきなり死神がどうのって言い出して・・」


「君と仲が良い重本君に僕のことを聞くがいい。
彼とは中学の同級生だ。」

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とっさに「憑かれていない」と言った自分を褒めてやりたいよ。


まさか“死神に憑かれている”ことを他人から指摘されるとは思わなかった。


びっくりしすぎて思わず“はいそうです”って答えそうになった・・・。


一体長田っていう男は何者だ。