昨日、あの後母ちゃんのカッパを借りて近所の本屋にダッシュした。

店員に探してもらったが、どうやら少し古い本だったみたいでお店には置いていなかった。


だけど親切な店員さんで、取り寄せてくれる事となり、1週間後に俺の手元に入る。

何とかこれで松尾さんに返すことができそうだ。


多分・・正直に言うと「別に大丈夫だよ」と言われそうだが、それでは俺の気が収まらない。




「松尾さん、悪いんだけどもう少し読み直したいからまだしばらく借りててもいいかな?」


「うん。大丈夫だよ。」









松尾さんが1組を出て行くと、チカが俺の席にやって来た。


「あれ?朝練もう終わったの?」


「朝からお熱いねハヤタ!
あの子誰!?」


「お熱いって俺は平熱35度だぞ。

あの子は隣の・・そのまた隣のクラスの・・・松原だったかな。

図書室でいつも一緒なんだよ。」



「ふーーーん。
勉強ばっかしてるわけじゃないんだね。」


チカが疑いの眼差しを向けてくる。


「ちょっと待て。
勘違いするな、あの子はただの友達だよ。

それよりあれだ。
おからクッキー早く食べさせろよ。」


「激辛クッキー今度食べさせてあげる。」


「何だよそれ。」