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「河原君。」

翌日、昨日と打って変わって快晴の朝に、1組まで松尾さんがやって来た。


「昨日はカッパありがとう。
すごく・・嬉しかったよ。」


「それは良かった。」


「あの・・今朝洗濯して干してきたから、返すのは明日でも大丈夫かな・・。」


「ちょっと待って。
カッパを洗濯してきたの?」


「・・・私が着ちゃったから・・その・・1回洗濯したほうがいいと思って・・。」



「別にそんなこと気にする必要ないよ。」


「・・ごめん。」


「謝らなくていいよ。
明日カゴの中に入れておいてくれれば大丈夫だからね。」


「うん。
あ、本読んだかな?」


「・・・読んだ。」


「どうだったかな・・あんまり面白くなかったかな・・?」


「・・・面白かったよ。
・・一人っ子の俺でも共感したって感じかな。」


「え・・河原君は共感するタイプなんだね。」





“共感するタイプ”ってどういうことだ・・。

松尾さんは“共感しないタイプ”なのか・・・。

一体あの本の中の兄弟は何をしでかすんだ。