私は君が分からないから

それに少し遅れて、一人が声を掛けてきた。

「蘭」



黒髪に青のメッシュを入れた艷やかな髪。

垂れ目気味の瞳。



口元にホクロが1つあり、口角は上がり気味の落ち着いた印象の美男子。



「僕の事、誰だかわかる?」



「悠だろ?」



「うん」



そう言いパッと微笑むのは、出雲悠。

いつもは口元だけが見えていたが、雰囲気は変わらないから分かる。



「僕は僕は?」



そう言いながら寄って来た可愛らしい顔立ちの……の…の?



思わず瞬きをした。

………え。



「っ」

「「プッ」」



当の本人である薫には笑いを堪えられ、智花と悠に噴き出される。



だが、それよりも…。



まじまじと見つめる。

こうなれば一人しか居ないし、声音も雰囲気も当てはまるのだが…。



霞桜は制服に様々な種類があるものの、

女子はスカート、男子はズボンと原則として決まっている。



だから目の前の薫…立花薫は男、ということで。



隣で智花と悠が私の反応を見て笑うのを聞きながら、

目の前でニヤニヤとしている薫を見て言う。



「薫…だ、よな?」



「そうだよ〜、蘭」

ーギュウ



スリスリと頬擦りしてくる薫。



今まで女だと思っていたのだが…。

バレバレだろうが言わないでおこう。



そう思いながら、いつもの様に薫の頭を撫でた。



「むふふ〜」