「でも私、離婚した事を後悔した事一度も無いんです。まあ、結婚して離婚して、色々な事分かったし、人の気持ちを考える事も出来るようになった気がします。
 それに、離婚してから、凄く大勢の人に出会えるんですよ。結婚していた時は、旦那に遠慮して人と距離を取っていたと思うんです…… 今、凄く充実してます。
 あっ…… すみません、離婚おススメみたいな事言っちゃって」

 ペロッと舌を出した。


「いいのよ…… 私だって離婚仕立てよ。なんか、理紗の言葉に自信が出たわ」


 その時、店員がおかわりのサワーをテーブルに置いた。


 なんとなく、二人でニコリとジョッキを交わした。



「そう言えば、理紗、明日から休暇よね? 今年は何処へ行くの?」


「今年はオーストラリアに行きます。二週間休みもらえたし。企画も無事に終わってご褒美ですよ。
 まあ、一週間はスカイプとメールでの仕事もしますけどね……」


「そうよね。今回の企画、理紗の力量発揮だったわ。本当によく頑張ったと思うもの」

 晴香は、感心したように肯いた。


 毎年有給休暇を使って、海外へ一人旅をするのが私の仕事へのご褒美だ。


 いつもなら一週間ほどの休暇を取るのがやっとなのだが、今年は、新しい企画のチーフに抜擢され、先月やっと、企画が起動にのり成果を出せたのだ。


 お蔭で、今回はスカイプとメールでの支持を出す事を約束に、二週間の休暇を貰えたのだ。