好きでいいかも……

半年後……


 青い空、青い海……

 南国の風……


 私は、ケアンズにいる。


 仕事は、部長からの提案で、退職してフリーと言う立場になった。

 会社から、依頼を受け、企画、デザインを仕事としている。

 以前より、収入は不安定になったが、その分、自由を手に入れた。


そして……


 私は生演奏の音楽が流れる中か、白いドレスに身を包んでいる。

 私の腰に手を回して横にいるのは、白いタキシードを着たジョンだ。


 ジョンの経営するホテルのプールサイドが華やかに飾られ、料理や飲み物が並べられている。


 カイトが走り回り、明るい笑い声が響く……


 まさか、この私が、もう一度結婚式を挙げるなんて、思ってもみなかった。


 奇跡が起きたとしか言えない……


「リサ、綺麗よ。おめでとう」

 晴香に続いて、有美と佳代子が近付いてきた。


「ありがとう」

 私は自然と笑みが漏れた。


「ありがとうございます」

 ジョンも、穏やかな笑みを返した。


「本当に、美男美女カップルよね。おまけに料理も美味しいし。幸せね」

 満足そうな佳代子に、ちょっと苦笑いしてしまう。


 三人の友は、わざわざ今日の為に、オーストラリアまで来てくれた。


 今、すごく幸せに包まれている……


 こんな、幸せな日がくるなんて、まだ、信じられない……


「リサ、僕は君と出逢えて、幸せだ」

 ジョンの、私の腰を抱く手がきゅっと強くなった。


「わたしも、ジョンと出逢えて良かった……」

 顔を上げ、ジョンの目を見つめる。


 ジョンの顔が近付き、やさしく唇が重なった。

「フゥ――!」

 周りから、冷やかしの歓声が上がる。

 それでも、ジョンは唇を離さない……