ジョンは、軽くため息を着くと、凛々しい瞳を私に向けた。


「僕を甘く見てもらっちゃ困るよ。そんな結婚をしなくても、十分な信用を得て今の立場に立っているつもりだ。どちらかと言えば、彼女の父親の方が僕の名を必要として居たんじゃないのかな? ぼくはそう言う人間だよ」


「……」

 私は何も言えなかった…… 


 でも、私の顔は緩み、嬉しさのあまり笑顔がもれてしまう……


「その、笑った顔が見たかった……」


 ジョンも、ほっとしたような笑みを私に向けた。


「私も…… いくら遠くに逃げても、余計に苦しくなるばかりで…… こんなにジョンの事が好きだなんて思っていなくて…… 私も、ジョンとカイトの笑った顔見たかった……」


 やっと、人を好きと言う事に向き合えた……



 ジョンの青い目が大きく見開いた。


「ほんとに?」


「……」

 私は、黙って大きく肯いた。



 話をしながら思う……

 ジョンの事を知れば知るほど、お互いの距離が近くなっていく気がする。

 違和感なく、同じ空間にいる事が出来る。

 何故か、きっと彼も同じなんじゃないかと思う。


「仕事は大丈夫?」


「あっ……」


「カイトの事も気になるし、そろそろ行こうか? まだまだ話足りないけど、これ以上リサを見ていたら、我慢出来そうにない……」


「えっ?」


「いや、こっちの話…… 今夜会えるよね?」

 ジョンは、席を立ちながら言った。


「ええ……」


 私も、もっとジョンと話をしたかった。


 喫茶店をでて、オフィスに向かい並んで歩いていると、いきなりジョンが私の腕をつかんだ。