「そうだったんですね。…お仕事は何されてるんですか?」

なんだか恥ずかしくて、私は話題を変えた。


「貿易系だな。」


「へぇ。貿易系…英語ペラペラなんですね」


真剣に私が呟くと、榎本さんはははっと笑った。


「まあ、学生時代は英語と数学得意だったかな。
国語が最強にできなかったけど」


「えぇ…!私、文系なので数学できなくて。羨ましいです」


「俺からしてみたら国語できる方がすげーよ。」



榎本さんと、こんな風に会話できるなんて、なんだか不思議だ。


本当に、見た目だけで判断して苦手意識を持っていたのが申し訳ない。


不快な思いをさせてしまっていたかも…。


「あっ、あの!」


私は立ち止まる。


「ん?」

榎本さんも立ち止まって、こちらを振り返ってくれた。