そのあと、あの4人をテーブル席に案内して、注文をとった。


榎本さんを誘っていた佐川さんは、ひどく落ち込んでいたようだった。


「おい、佐川、なんであんなこといったんだよ」

「なにが?」

「なにがって、なんで榎本さん誘ったりしてんだよ!」

「だって榎本さんと飲んだことないし、いろいろ話したいじゃん」

「お前、社内での榎本さんの態度知ってるだろ?
他人には全く興味ありませんって感じでさ、いつもスゲー怖いじゃん」

「そうそう。仕事お前らに任せるより一人でやったほうが速いですー的な?俺あの人とは仕事したくないわ」


榎本さんって、やっぱり会社でも怖いんだ。

でも、あんな風に言われてるとなんだか………



「お前ら、榎本さんの何を見てそんなこと言ってんの?」


嫌だな、と思ったとたん、佐川さんの声が響いた。


「佐川……」


「俺はあんなにバリバリ仕事できる榎本さんを尊敬してるし、話してみたいって思う。
だって、話さねーとどういう人かわかんねーじゃん。
回りに流されて榎本さんをそういう風に怖いとか思うの、俺はおかしいと思う」