戦が開けてどれほど時がたっただろう
国の男衆が壊滅した街の修繕にかかっていた
家は失っても家族を守れた者
家族を失ったのに立派な家が残った者
自分以外の何もかもを失った者
一族もその家もろとも絶えた者達もいた

アイカは家と親を失った
腹を空かせ喉が割れるほど枯れていた
日照りの日々が続いた後に雨が降った、人々は桶や樽をもって雨水を貯め、嬉嬉として恵みの雨の中踊り明かした。
アイカも人々と同じように大きな口を天に向け全身に雨を浴びて体の乾きを潤わせ汚れを落とした。
人々は助かったと…これでまた作物が育ち国が豊かになる…と。
しかし、やはりアイカの心を潤すことは無かった。