どんなに上へ上がろうとしても、そのまま私の身体は沈んでいく。




助からないかも知れない。




そう思った時、真っ先に頭の中に浮かんで来たのは、




優。




優が居なければ、私はこの時この海にすら居なかったかもしれない。




こんな苦しい思いをしなかったかも知れない。




でも、




逆に言えば、優が居なければ今、私は死にたく無い何て思わなかったかも知れない。




死にたく無い。




優、優!!




お願い、来て。




そんな願いが届いたのか、意識が遠退いて行くなか、





幻覚かも知れないけれど、君の、優の姿が、見えた気がした。