中身はともかく、見ているだけなら本当に絵になるお二人です。
レイモンド様とマリー様の優雅なダンスを、バルコニーから何気なく見ていると、
「……さっき誰かが話してたけど、あの二人、少し前まで付き合ってたらしいよぉ」
と、耳に注ぎ込まれる楽し気な囁き声。
ひゃっ!
思わず小さく跳ねました。
「ちょっとアンディーったら、驚かせないでよ!」
「ごめんごめん」
あははと楽しそうな笑い声に釣られて、私も吹き出してしまいました。
「彼女あの若さで、どっかの公爵の未亡人だって。結婚前から侯爵に首ったけだったらしいよ~。結婚して半年も経たないうちに、四十歳以上歳の離れた御主人は心臓発作で亡くなったんだって……。焼けぼっくいに火がついちゃうかも知れないねぇ……」
と、アンディーは目をキラキラさせて悪~い笑みを浮かべて、楽しそう。
「ついちゃうかも知れないわねぇ……」
微笑しながらさらりと返します。
菫色のキラキラお目々が、えっと面食らったように一瞬で丸くなり、
「僕は、嫉妬の火種を投げ込みに来たのに、肩透かしなんて調子くるうだろう!?」と。
「貴族の世界はそういうの当たり前なんでしょう? 私、侯爵様を縛る気はさらさらないのよ」
「は?」
「マナーを守ってくれるなら認めるつもり」
正直もやもや嫌な気分ですが、何でもない風を装います。
愛情に基づく結婚では無いのですから仕方がありません。
「物分かりが良いのも問題だと思うよ。彼は君に夢中だから、縛って欲しいんじゃないのかなぁ? レースの時、まさかあの崖を駆け上る奴がいるなんて思わなかったけど、彼、僕の邪魔をする為に、あっさりやってのけたしね。おっと、恋敵に塩を送るのは止めておこう」
「あなたも社交界の噂話を信じちゃってるのね。レースに勝ったのは、侯爵様が負けず嫌いだからよ」
私は肩をすくめ、アンディーは呆れたように笑ったのでした。
レイモンド様とマリー様の優雅なダンスを、バルコニーから何気なく見ていると、
「……さっき誰かが話してたけど、あの二人、少し前まで付き合ってたらしいよぉ」
と、耳に注ぎ込まれる楽し気な囁き声。
ひゃっ!
思わず小さく跳ねました。
「ちょっとアンディーったら、驚かせないでよ!」
「ごめんごめん」
あははと楽しそうな笑い声に釣られて、私も吹き出してしまいました。
「彼女あの若さで、どっかの公爵の未亡人だって。結婚前から侯爵に首ったけだったらしいよ~。結婚して半年も経たないうちに、四十歳以上歳の離れた御主人は心臓発作で亡くなったんだって……。焼けぼっくいに火がついちゃうかも知れないねぇ……」
と、アンディーは目をキラキラさせて悪~い笑みを浮かべて、楽しそう。
「ついちゃうかも知れないわねぇ……」
微笑しながらさらりと返します。
菫色のキラキラお目々が、えっと面食らったように一瞬で丸くなり、
「僕は、嫉妬の火種を投げ込みに来たのに、肩透かしなんて調子くるうだろう!?」と。
「貴族の世界はそういうの当たり前なんでしょう? 私、侯爵様を縛る気はさらさらないのよ」
「は?」
「マナーを守ってくれるなら認めるつもり」
正直もやもや嫌な気分ですが、何でもない風を装います。
愛情に基づく結婚では無いのですから仕方がありません。
「物分かりが良いのも問題だと思うよ。彼は君に夢中だから、縛って欲しいんじゃないのかなぁ? レースの時、まさかあの崖を駆け上る奴がいるなんて思わなかったけど、彼、僕の邪魔をする為に、あっさりやってのけたしね。おっと、恋敵に塩を送るのは止めておこう」
「あなたも社交界の噂話を信じちゃってるのね。レースに勝ったのは、侯爵様が負けず嫌いだからよ」
私は肩をすくめ、アンディーは呆れたように笑ったのでした。
