ただ走る もう辛い思いは嫌だから

今も本当は人を殺すのは辛い

闇を光に変えるのも辛い

けどその先にある愛が知りたい

真実の愛が欲しい 知りたいの 一度でもいいから幸せになりたい

こんな事を思う私はただのワガママですか？

燐「ハァ…ハァ…い…行き止まり…この先…海だ……」

走り着いた先は崖の上だった 真下は海だ

時雨「ようやく ようやく追いつきましたよ 燐……ほら 戻ろう？俺と幸せになろう？君が欲しかった物なんでもあげる 幸せにするよ？だから俺を選んでよ」

同じ道を走ったはずなのに息切れもせず

自己勝手な愛を押し付ける

燐「…月詠…様…一つ質問します…貴方は何故私が好きなんですか…？」

時雨「おかしな質問ですね？そんなの簡単ですよ お見合いの写真を見て容姿が気に入り今の容姿も美しく能力もすごいんですね そんなすごい人

欲しくなるに決まっているだろ？」

その言葉を聞いて私は傷ついた

この人は…私の心を見ていない

ただ欲しいから手に入れたいだけ まるで人形みたいな扱いだ

燐「……そうですか 貴方とは一緒にいら…ッ！？」

そこまで言うと身体中に鈍い痛みが突き刺さる

私の心臓にナイフが刺さっていた

時雨「けどな もう燐は俺の物にならないなら…

あの世でやり直そう？もう一度やり直そう？」

また再度突き刺す

燐「ッ！！……」

こんなこんな男に…私は殺されるのですか

まだ愛を知らないのに

ぐらりと傾きながら倒れかけるが倒れなかった

時雨に抱きしめられていた

時雨「…一時的に別れは悲しいですがまた巡り会うから寂しくないですよ？

ではまた来世で 後から追いますからね…」

ニコと笑いながらキスをして私を

海に突き落とした

深い深い冷たい水の中に落ちながら

必死に手を伸ばす

だれかだれか助けて