家まで送ってくれたヨウくん。


家に帰ると、

私はだいぶにやけてたみたいで、

お姉ちゃんやお母さんにまた、

いい事あったね、て言われた。



お風呂も食事も済ませて、

自分の部屋にあがる。


ベッドにねころんで、


今日のことを思いだす。



頑張って、よかったなあ。

とか

解決したんだ。

とか。


喜びがじわじわとあふれてくる。



柏木先輩。

なんで私なんかを好きになってくれたんだろう。

ヨウくんもだけど。


だから

そのぶん、

たくさん好きを返してあげたいなって思う。


やばい、もう会いたい。


机の上のネックレス掛けに目をやる。


この前もらった、

雪の結晶の形をしたシルバーのネックレス。



「うへへ」

次のデートに付けていかなきゃな~


そんなことを考えていると、


ピロリン♪


ん、LINE…。


携帯をタップして、トーク画面をひらくと、

ヨウくんだった。



『今日はまきこんでごめん。…電話できない?』


きゃああ…!

で、電話!


うん、したい。したい。


手汗かいてきた…。


私がOK、のスタンプをおくって、

まもなくすると、


ピロリンピロリン♪♪

電話の音。



電話に出る。



『あっ、琴羽です!』

『うん知ってる、あはは』


胸が締め付けられる声。

ぎゅう、って…。


『今日、ありがとな』


『い、いえ…!』


『帰り道はなんかラブラブでそういう重たい雰囲気じゃなかったから言えなくて。』


『はい!今日の帰り道も楽しかったです』


『俺、ほんとにこと好きなの。バカみてぇだけどほんとに、やばい。…今日した初めてのキスももっかいしたいなあとか、意識ばっかしてたし…』



…。

もう、好き。

こんなに嬉しくなること言わないでよ。

泣きそうになる。


『私も好きです、もっとちゅーしたいですよ!』

思い切って言うと、少し、沈黙。


『…っ、あー…うん、わかった!今度しよう!』

と、焦った声。


『寝るわ。電話ありがとう。また明日』

『おやすみなさい!』

『おやすみ』


その声がすごく心地よくて。


電話がきれたあともじわっと耳残って。


だんだん顔があつくなったのは、

電話がきれたころだった。


こんなに幸せで。

幸せすぎることが、すごく、

こわい────。