「え、どこいくの、こと!」


私はヨウくんの腕を引いて、


ずんずん、と、東校舎へすすむ。



1-Aに着いて、

教室のとびらをあけると、



「あ、やっときた~おそい~」

と、携帯をいじっていた、柏木先輩が顔を上げた。


ぐーっ、とヨウくんの背中をおして、

中に入れると、私はすぐに教室から、

飛び出した。


はじめは、

静かだった教室から、

ぽつり、ぽつり、と

話し声が聞こえてきた。


ほっ…。

お話はしてくれてるみたいだ…。


窓に近づき、

風を感じる。


どうなるのか、わからないけど、

ちゃんと解決、しますように。


下には、

一緒に下校するカップルや、友達が集まっていた。


みんな、幸せそう…。




しばらくすると、

がらっ、とドアが開く。



あ、なんか、ヨウくんスッキリした顔してる…。



「こと、俺靴箱で待ってるから…。えっと、俺と帰りたいって思ったら、来て。」


ヨウくんはそれだけ言うと、

すっ、と横を通り過ぎてしまった。


「え…。」


どういうことだろう。



「琴羽ちゃん、ちょっと、来てよ」


ひょこっと、教室のドアから顔を覗かせる柏木先輩。


教室にはいる。


よし……。