次の日の朝。


「ちょちょちょっと!」

友達の里中 優奈(さとなか ゆうな)が、私のところへ勢いよくかけてきた。


「な、なに!」

「大樹くんと!春姫先輩、付き合ってるって!」

優奈はなんで!?と言った様子で喋る。


「ちょっと、優奈?…琴羽だってまだ、別れてすぐなんだからそーやって押し付けないの。」

沙羅がきて、そういってくれた。

さすが沙羅 。


「あ、ありがと、沙羅。」

「うん。」


「優奈も、教えてくれてありがとう。どーやって知ったの?」

優奈は、携帯をとりだした。


すっ、と出されたその画面には、

仲良さそうな二人の姿。

やっぱり、そうなんだね…。


「グループに、まわってきて。多分琴羽たちのとこにもきてるよ。」

確認してみると来てた。

写真……。


やんちゃな佐伯くんの仕業だ。
朝、登校中に隠し撮りでもしたんだろう。


「あと、病気持ちとか言ってたよ」

「もう、いい加減にしなさい」

沙羅のつっこみで、

この話は終わった。


病気持ち…

守りたくなるよね、そりゃ…。


ずきん。

少しだけ痛かった。



お昼休み。


「大樹くん、行こう」

と、可愛らしい声が聞こえ、大樹は出ていく。

春姫先輩、可愛いなあ。

女の子ーってかんじ。

私とは大違い。

ほんとに、大樹と付き合ってるんだろうか…。


ずっとモヤモヤがなくならない。

いてもたってもいられなくなって、

私は食べかけのご飯をおいて、教室を飛び出した。


盗み見るんじゃない。

真実を知りたい、だけ。


ねぇ、大樹。

好きって言ってくれたあの笑顔は、

嘘だったの…?