次の日。


私はいつもよりはやくでた。



そして、また、

ハヤテスーパーの近くをうろつく。


この前も、ここで、柏木先輩と会ったから。



ヨウくんには、今日は一緒に行けないって断っておこう。



…ヨウくん、怒るかな。

私が柏木先輩と登校したら…。



でも、今はそれよりも、

土曜日のことをすっきりさせなきゃ。



すると───。


「琴羽ちゃん」


優しく甘い声。


「あ、…おはようございます!」


柏木先輩だ。


土曜日みたときより、はるかに元気そうな顔をしている。


「もう、大丈夫なんですか?」


「うん、おかげさまで。まだ喉は痛いけど…日曜日にゆっくりしたから、熱は下がったよ」


ありがとうね、とつけたして、

柏木先輩は、私の横を通り過ぎようとする。



あ、行っちゃ、だめ…だ。



「あ、あの!!柏木先輩…っ」

勇気を振り絞って、呼び止める。


「ん?…あ、なに、ヨウの家またわかんなくなった?」


何事もないように。

いつもどおりの笑みで近づいてくる柏木先輩。


いつもどおり。のはず、なんだけど。

どこか、焦ってて。


「ちが、くて…あの…、一緒に行きましょう。学校。」



は?とした顔を浮かべる柏木先輩。

そりゃ、驚くよね…。


「いやいや、待って。ヨウに怒られるし、それに、……」


言いかけてやめる柏木先輩。


そして、

真剣な顔で私を見た。


「…っ」


「うん、分かった。行こう。」


柏木先輩はおいで、と手招きをして、

歩いていく。


私もそれについていった。