次の日の朝。


私は朝からルンルンで。

いつもより早く出る気分で、

用意をすすめた。


って、ヨウくん待ってくれてるんだっけ…

さすがにこの時間には来ないだろうから迎えに、行ってみようかな?

なんか、カレカノっぽい!


家知らないんだよな…。

ハヤテスーパーの近く、とは聞いてたけど。


よしっ、時間もあるし、

行ってみよう~。


いつもより30ふん、早く家を出た私はまず目的のスーパーへ向かった。



さすがこの時間じゃ同じ学校の人、いないか…。


どうしよ。

結局わかんないな、、

ヨウくんに電話して────


「あれっ、琴羽ちゃん?」


名前を呼ばれて、ふりむくと。


ほんとにどこかで見覚えのある、

男の人。



え、っと…めちゃくちゃ見た事ある、のにな。

思い出せなくて、うーん、と悩んでると、


「あ、そうか知らないよね、ヨウの友達の柏木俊、おぼえてる?」


あっ…!

視聴覚室のときに、あった先輩!!

そうそう、
ヨウくんの友達で。


柏木俊先輩。

ヨウくんに劣らないくらい綺麗な顔立ちで。(ヨウくんの方がかっこいい、けど…)

ヨウくんは、ハッキリした顔立ちにどことなく優しさが混じった顔立ちだが、

柏木先輩は、甘いマスクをかぶったtheチャラ男って感じの人で。

タレ目がちの目に、涙ぼくろ。

髪は明るく、ワックスでふわふわと整えられていて。

言い方は悪いけど、女の人が好きそう、とチャラ男を彷彿とさせる容姿だった。


「で、どーしたの?」

す、と手が伸びてきて私の髪に触れる。


へ、…?


ポカン、とする私に、柏木先輩もハッとして。

「ごっめん…つい…っていうか、俺、ほらすぐ触る癖あるから……あとでヨウに怒られよ。」

あとあとから気づいてしゅん、とする柏木先輩。

なんだか、悪い人ではなさそう。


女の人に慣れてて、すごく優しい。


「実は、今日、ヨウくんの家に迎えに行こうとしてて…でも家、わかんなくて…」


「へへっ、チャレンジャーだなあ、よし!俺が案内してあげよう」

ぱちんっとウインクをして、柏木先輩は私を連れていった。


ん、

鼻をかすめる香水の匂い。

ヨウくんみたいな石鹸の香りじゃなくて、

甘い、匂い。

酔いしれそうな。


こんなイケメンさんにせまられたらみんなそりゃ恋に落ちちゃうかもね…。



「さて、つきましたよお嬢様?」

考え事をしながら後ろをついて行った私。


そんな私に柏木先輩は、よびかけた。

「あ、ありがとうございます!わざわざ連れて行ってくださって…」

ペコっとお礼をすると、

「おれも一緒に待っとこーっと、…おしゃべりしようよ、」

と柏木先輩。


私たちはヨウくんがでてくるまで

お喋りをしていた。