ぱっ、とそっちへ目を移す。


2年生…。

一つ上、ってだけでこんなに、大人なんだ。


二人の先輩は、私に気づくとすぐに駆け寄ってきた。

「あれ~?どうしたの?」
「1年生?」

甲高い声。

ふわふわに巻かれた明るい色の髪。

ピンク色の唇。


「あ、は、はい…」


「誰かに用事っ?」

大きな瞳にみつめられて、

圧倒されて、

「い。いえ!」

と言って逃げてしまおうとした、そのとき。



「二人ともお待たせ。ヨウと話してた」

と、優しい声色の、女の人がでてきた。


ヨウ、って…?

ヨウくんのことだよね。


そして、その先輩も私へ目を移す。

わ、綺麗な人…。


サラサラに伸ばした黒髪のストレート。

前髪は横にわけられていて、綺麗な顔が映える。

パッチリとした目に、形のいい赤い唇。

対象的な白い肌は綺麗な顔にぴったりだった。

スタイルもよく、少しおったスカートもうまくはきこなしていて、

モデルさんみたい、っておもった。


「こんにちは。誰か待ってるの?」

優しく微笑みながら、その人は話す。


「いや、あの…」

正直に言うべき…?

でも、ヨウくん恥ずかしくないのかな。

私みたいな子と…。


そのとき、

ガラッと、3組のドアが開いて。


「玲奈、わすれもん」

と、ヨウくんの声が聞こえた。