靴箱の、

木の板にすわる。


吹奏楽の音が心地よくて、

だんだん眠くなってきて。


なにかをしよう、って思った時には、

もう夢の中だった。





「…ん、」

重たいまぶたをあける。


あれ、ここ、靴箱…。


あっ、そうか、私ヨウくんを待ってて…。


まぶたをこすり、意識をはっきりさせる。


立ち上がって伸びをして、時計をみた。

「ん、あれから30分か…」


まだ、来ないのかな。

迎えに、…いったり、とか…


うーっだめだめ!

先輩なんだし、

ヨウくんは待っといてって言ったし…


でも気になるし。


考える間もなく、

私の足は、

2年生の校舎の方へ動いていた。



2階。

微かに笑い声や話し声が聞こえる。


何組なんだろう…。

片っ端からのぞいていくか。


そう、足をすすめて、

二組の前を通り過ぎた時、


3組のほうから、

ガラッと、2組の女の人がでてきた。