そのまま二人で登校。


靴箱で、
それぞれ別れる。


同い年だったらなあ…。


友達と笑いながら、遠くへ行ってしまうヨウくんの後ろ姿をみつめる。


「ま、付き合えただけでも幸せだよね」


欲張りな女の子はだめですっ。


階段をのぼって、教室に入ると。



ザワっ

みんなの視線が一気にこっちに。

「へ?」


「ちょっと!今朝のどういうこと?」「やっぱ付き合ってるの!?」「高山先輩ぃぃ~…」

質問攻め……。


付き合ってる、て宣言していいの、かな。

でも、ヨウくんはあんまり広めて欲しくないかも、だし。


「…あ、えっと、」



「ごめん邪魔、どいて」

うしろから声がした。

ふりかえると、

「だ、大樹!…あっごめん!」


大樹だった。

「あ、琴羽、宿題みせて」

大樹は、私の腕をぐっと引っ張ると、

質問攻めの女子達から引き剥がしてくれた。


女子達は、ちぇっとした顔をしてまた聞こう、なんてことを喋ってた。



「大樹……ごめんね、ありがとう…」

大樹にまで迷惑かけるとか、

私、しっかりしなきゃ。


「んで?つきあったの?…俺にはちゃんと伝えろよ、幼なじみ、だろ?」


大樹…。

なんか、じわーって染みて、涙が出そうになった。


"幼なじみ"

その関係に、戻れるかもしれない、ね。


「付き合った。…応援してくれてありがとう!」

ニッと笑ってみせると、

大樹も、おめでと、と微笑んだ。


1度、別れた私たちだけど、

なんとかうまくやっていけそう。

そうだよね?

大樹。