言わなきゃ。

ちゃんと、伝えなきゃ。


「…そのときにはじめて、ヨウくんが、…ヨウくんのことが、好き、って気づいたんです。」


言っ、ちゃった…。


はぁ、と空気をはきだす。

心臓がバグバクして、

手はじわじわと汗をかき、

顔は、過去一番紅潮してると思う。


すこし、沈黙が続いたあと。



「ええ!?!?」


と大きな声で、

ヨウくんが立ち上がる。


「へ?」


「待って!?こと、今日俺のこと振りに来たんじゃないの…!?」

ヨウくんの顔は必死そのもので。


なんだか緊張なんて吹っ飛んじゃって、

何故か、笑いがこぼれた。


「ふふっ…」

「な、なんで笑うの……だって、だって、嫌われるかもしれないって言ったからふられるかと、…」

ヨウくんはへなへなと、ベンチに座り直す。


そして、手を繋ぎなおした。


とくんっ……。

「よ、よ、良かった…」

「ヨ、ヨウくん…?」


ヨウくんの手はいつしかあたたかくなって。


「…やばい、にやけ、止まんない。」

ヨウくんは自分のほっぺたをパチんとたたく。

「てゆか、夢じゃないよな?」


テンパる姿が、

めちゃくちゃ可愛くて。


「ヨウくん、好きです」

ポロリ、と口からまたこぼれた。