「私、この前この公園でヨウくんと話したあと、ちゃんと大樹のところへ行って、話をしました…」

ヨウくんは相槌をうってくれる。

「それで、そのときに……っ」


だめ。

思い出すだけで泣きそう。


そのとき、

ポン、と頭に手が置かれる。


きゅう…っ。


「だいじょーぶ、って。」


「…っ…、キ、キス、されて…っ」


やばい。

絶対嫌われた。

帰っちゃうんじゃないだろうか。


不安に胸を押し潰されそうになりながら、

ヨウくんの顔を見る。


「うん、それで?」

優しい笑みだった。


優しい人。

ただそれだけじゃなくて。

安心できる人、でもあるんだな。


あたたかいなにかが、

胸の中に広がる。


私は続けた。
「キスされて、前なら嬉しいはずなのに、でも全然で……そのあとなぜかヨウくんに抱きしめてほしくなっちゃって…」

「な、なんで呼ばなかったの?!すぐに行ったのに…」

「呼べませんよ…、ほかの人にキスされたのにそんなこと…」

「そんな…。」


ヨウくんの握る手が強くなった。