私たちはベンチに座る。


「会えるの楽しみすぎて、はやくきちゃった」

ヨウくんは、照れ笑いをうかべる。


やばい、好きです。

もう止まらない…。


「ちょっと話そ!」

ヨウくんは、ニコッと私に笑みを向けた。


こくん、とうなづく私。


「電話で、学校でちゃんと話すーって言われてたから待ってたんだけど、」

「あっ、すみません…!」


そうだ、私そんなこと言ってたんだ。

一人で告白~って舞い上がって、

ワクワクドキドキしてたけど。

ヨウくんは、

不安でずっと待っててくれたんだよね…。


「ううん。俺、朝、心配で迎えに行ってみたんだけどさ…なんか、あれ、大樹くんと喋ってたから…」


パッと顔を上げる。

ヨウくんのほっぺは、

少し赤くて。

どきん…。


「や、やきもち、ですか?」

そう、聞いてみる。


「あーもー、うるさい。好きなんだからしょうがないじゃん。」


「…っ」


どうしよう。

もうなにもかも、

隠して、このまま好きだと言ってしまいたい。

キスされた、なんてことを、

隠して、消してしまいたい。


ああ、だめだな、もう…。


ヨウくんは、口を開いた。
「分かってる。返事されること、分かってる。…絶対に嫌いにはなんないよ。てかなれないから…ちゃんと言って……。」


ヨウくんの手がすっ、とのびてきて。

私の手を握った。


冷たい。

微かに震えてる。


こわいんだ。

私だけじゃなくて、


ヨウくんも…。

ぜんぶ、

ぜんぷ。


話そう。


それで、

ちゃんと好きだって伝えよう。