プルルル、プルルル…


《どうした、こと?》


でっ、でたあああ!


やばい、なんにも考えなかった。


どきんっどきんっ

心臓が跳ね上がりそうだ。


《ふふっ…こと?大丈夫?》

ヨウくんはなぜか少し笑ってた。


この声、落ち着く…。
ずっと聞いていたい。


《緊張してんの?》
ヨウくんは、そう尋ねる。


《は、はい…ちょっと、だけ…》

《そっか。俺もだよ~最近電話してくれるから嬉しいけど心臓もたないかも。》


きゅん、

胸がしめつけられる。


どうしてそんなことが普通に言えるのだろう。

どうしてこんなにドキドキさせるの?


《…そ、それでね、今日会えますか?》

《………。》


少しの沈黙。

うぅ、こわいな…。

告白する以前に会えるか、わかんないよね。


《あ、会える。会えます。6時くらいでいい?》


や、やったあ……。

良かった……。

こころなしか、ヨウくんの声も微かに震えてる気がした。


《は、はいっ、6時にこの前の公園で…!》

《うん、わかった。またね。》

《はい!ありがとうございました!》


プツっ……


途切れたその声に少しだけさみしさを感じる。


でも今はそれどころじゃない!

早く帰って、準備しないと。

どうか、

神様。

今日だけ、私に力をください───。