学校に着くと、

沙羅が私の目をみてびっくりしてた。

ちゃんと全部、全部話したら。


「なんかあれだね、今、高山先輩(ヨウくん)がすごく苦しんでる気がする。…それを解くのは、もう分かってるでしょ?何をしたらいいのか。」

沙羅は自分のことみたいに悩んでくれて、真剣に答えを出してくれる。


「うん。…でも、どうやって告白したらいいの…?どこで?」


いざ!となるとやっぱりこわい。


もしかしたら、

今日、ヨウくんは違う誰かに一目惚れしちゃってるかもしれない。

だとか、

さっき、大樹に言うだけであんなにバグバクしたのに、言えるだろうか…。

いろんなこと考えちゃう。


沙羅は続ける。

「んー…どこでもいーんじゃない?でも。はやくしないと、気持ちも逃げちゃうかもね。私から言えることは以上!」

と、簡単な答えを沙羅は言ってくれた。


うん。そうだよね。

逃げちゃったらだめ。

あんなにも、しっかりと、向き合ってくれた大樹や、

私が大樹を好き、と思いながらそれでも好きだと言ってくれたヨウくんに、

恩返しができないよ。



今日。

ちゃんと可愛い服に着替えて、

メイクもして、

ちゃんと、ちゃんと伝える。


「沙羅、ほんとにありがとう。今日、頑張るよ!」

沙羅にニッと笑ってみせると、

沙羅もうん、とうなづいた。


ほんといい友達もったなあ。