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朝──。


「ちょっと、琴羽!!いつまで寝てんのよ!」


うる、さ……。

「学校よ、ほらほら準備して!」

大きな声で私を起こすのはお母さん。


そして、慌ただしく私の部屋を出ていく。


「ははっ…」

変わらぬいつもの朝に少し笑ってしまった。


変わらないはずなのに。


もう傍に大樹はいない。


今日からは、朝の登校も別かあ。


その時、コンコン、と部屋がノックされ、

「琴羽~?はいっていい?」

と、お姉ちゃんの声が聞こえた。


「うん、いーよ。」

と答える。


ガチャリ、とドアが開いて、

今日もバッチリ決めたお姉ちゃんが入ってきた。



そして私のベッドに座って、

「はい、…今日夜話聞くから、学校だけ頑張んなよ。いってきます 」

と保冷剤をわたされた。



泣き腫らした私の顔はすごく酷いだろう。


保冷剤で、冷やせってことか…。


「あり、がと、いってらっしゃい…」


いつもと変わって優しいお姉ちゃんに、

ああ、こんな時はほんとに大好きって思った。



「よし。」

1人で気合をいれて、ベッドから出る。


いつも通り 準備して、

家を出た。





ガチャっ。


「あ、…っと、」


開けた瞬間 ちょうど大樹と

出くわしてしまった。


だけど、目をそらしたのはそっち。


ねえ、大樹。

あなたはどんな気持ちなの?