《こと!大丈夫だから!なに、なにがあった?こと?》


《ごめんなさ…い…っ、ふっ、うぅ…っ》


なんにも言えない。


私はどうすれば正解なの?


憎い、

なにもできない、

ちっちゃな自分が───。



《こと…。好きだから、ほんとに好きだから。俺はなんも変わんないよ。》



とくん。


好きだから、、

その言葉に心が震える。


なんだか、すこし、

胸がスッキリした気がする。


《ヨウくん、私…ね、明日学校行ってちゃんと話します。……だから、だから…》

私は、言葉を続ける。


《どんなことを言っても嫌わないでください…っ》

こんな言葉で縫い合わせていいわけがない。


ほかの人とキスした、なんて聞いたら、

きっと愛なんてかけらもなくなってしまうだろう。


でも私はあなたを手放したくなんかない。



《うん当たり前。好きな人のこと嫌いになんてなれない》


ああ。

どうして、ヨウくんは、

そんなに私が欲しい言葉をくれるのだろう。


胸がぽかぽかとあったかくなってきて。


自然と涙もとまってた。


《だから今日は安心して寝ていいよ。ちゃんと冷やすんだよ、目、爆発してたら思いっきり笑ってやるからな》

ヨウくんは、

心配と笑いを重ねた。


《えっ笑わないでくださいよ!》

私もできるかぎり、

明るく言った。



《おやすみ。こと。》

その言葉が、

胸にしみて。


今度こそ、私はしずかに、

目を閉じた。