発信音が何度が続いた。


「"この電話はただいま───"」
聞きなれた機械音の声が聞こえる。


ずきん…、


出なかっただけなのに

ものすごく胸が苦しい。


やっぱり寝よう。

こんな時間、そりゃでないよ。

きっと、明日、

会えるから────ぴろりんぴろりん♪


「……っ!」

携帯がなって、


発信者をみると………、


ポチッ


《ヨウくん!!?》

《あ、こと…》


ヨウくんだ、ヨウくんだ。


嬉しい。


涙が止まらない。


《こ、こんな時間にすみません…》

《ううん、大丈夫…てかすぐに出れなくてごめんな》


なんか電話ってすごいドキドキする。


《いえ!そりゃ寝てますもん!》

《違うくて…1回目かけてくれた時におきてたんだけど…なんか緊張して、出れなくて》

《……っ》


好き。好き。大好き。


思いが口走りそうになる。

想いがこぼれそうになる。



でも──。

キスをされた私には、

そんな権利なんて、ない…。


電話してるのに。

幸せなのに。

その事ばかり考えて…。


《こと?…なんか、あった?》

《え?》

《声がなんかさみしい。…電話だからかな。》


どうして、

なんでもわかるの?


あなたは、

どうして、

私を好きで居てくれるの?


そう考えるたびに涙が頬をつたった。


きゅうっと、胸が苦しくなる。

ズキズキと痛い。


《ヨ、ヨウく…っ、ごめんなさい…っごめん、な、さ…っ》

今私にできるのは、

あやまること、だけ──。