夢を見た。



"

「…こと」

優しい声。

この呼び方は…

ヨウくん?


手を伸ばす。

届かない、届かない…。


「ヨウ……く…ん」

"


「っは!…夢……びっくりした…」


あたたかくて、ふわふわした夢だった。

でも、

手が届かなくて。


なんだか苦しい。


ヨウくん。声が聞きたい。

今3時半…。


だめだ、こんな時間に…。

そもそも、LINE…

『よろしくお願いします』『よろしく~』『スタンプ』から、

なーんにも会話してないし。


でも、でもね、


ヨウくん。おねがい。


いっかいだけ、電話させて。

出なかったらかけないから。

どうしても、あなたの声が聞きたいです。



どうか────。


私はポチ、と

電話をかけた。