手首をつかまれる。

そのまま、

どさ、とベッドに押し倒されて。


「だ、大樹…!?」


いつも見たことない表情に、戸惑う。

大樹どうしたの…?


「俺、琴羽が好き、なんであの時別れたんだろ…、都合いいこと言ってんのは分かってるけど、分かってるけど!」

大樹は苦しそうに私をみつめる。

私の手首をつかむ手が汗ばんできてて、

すごく、焦っているのがわかる。

「琴羽がほかの奴んとこいくなんて考えらんねー……しかも、なに?ベッドに座る、って、誘ってるよーにしかみえねえ…もーむり。」


大樹の瞳が私の唇をとらえる。


「や、やだ!!大樹…っ」

抵抗しても、ちっとも動かない。

大樹ってこんなに、強かったんだ…。

いつも、大樹は、

私に優しくするから気づかなかった。


「大樹…!」

大樹の、柔らかい前髪が、私のおでこをくすぐる。


「こと、は…」


一瞬目が合う。