【完】これは、先輩と私の恋のお話

そのまま靴箱に向かう。



「は、ぁ……」

一人になり、張り詰めていた息をはきだす。


その瞬間、ボロボロと涙があふれた。



好きだった。大好きだった。


ううん、好き。大好き。


いまでも、こんなふうに


ズタズタにされた、今この瞬間も。


「うっ、やだよ……っ、うっく…」


一度流れた涙はすぐに止まることはなく、

ずっと、ずっと頬をぬらした。



✲✲✲



「ただいま。」

いつもよりかすれた声で言うと、


「おかえり~」と、

お母さんとお姉ちゃんの声。


お父さん出張だっけな。



私は何かを食べる元気もなく、

ただ、真っ直ぐ部屋へ向かった。


部屋に入って、

シャ、とカーテンを開けると

大樹の家がみえた。


あ、大樹の部屋 電気ついてる…。

大樹、もう帰ってたんだ。


いつも、ここから窓を開けあって電話してたよね。


また思い出しちゃった…。


思い出すとまた、苦しくなって、

私はベッドに倒れ込んだ。