好きだった。

大樹のことが、

好き、だった…。

いまも?

昔の話?

わかんないや……




国語の授業中、考え事。

ちょうど、窓際で日が当たる。

あったかい…なぁ。

私は机につっぷす。

「ん、…」

そのまま、悩み事を忘れるように眠りに落ちた。




「…さんっ!ちょっと!」

甲高い声。


「んーっもうっ、うるっさいなあ」

お母さん?ちがう?

だれよ…?


もうろうとした意識の中、
パチっと、目を開けると。


鬼のような形相をした、古典の春川先生。

「ひゃっ…」

春川先生だった!?


「「アハハ!!」」

みんなが笑う。恥ずかしい…。

笑うんなら起こしてよ~…


「皆川さん!今日、放課後残ってなさい!」

春川先生は顔を真っ赤にしながら言った。


やっちゃった……。

しょうがないよね。

「はーい…」