大樹の顔は 苦しそうで。


「り、理由は…?そんなの納得できないよ。」

私はおそるおそるたずねた。


「琴羽のこと、だんだん女としてみれなくなって……それで好きな子ができた。」


グサっと胸に刺さる。


女として みれなくなった。


まぁ、そうか。

あんだけ一緒にいたもんなあ。


「大樹は、それでいい?」

最後だけ、目を見て。

お願い。


目をそらした大樹。

「うん、それで、いい。」

途切れ途切れに話す大樹。


すごくバツが悪そうな顔をして、

最後、ほんの一瞬私の目をみた。



あ、泣きそう。かも。


早く去らなきゃ、と思った私は、

「そっか~、よしわかった!
じゃあね!大樹!」

と笑顔で手を振って、

放課後の静かな教室をあとにした


大樹は最後まで笑顔を見せることなく、

最後もうつむいたままだった。