次の日の朝。

また、大樹にあった。


よし、うん。

ここで、気まづくなっちゃこのあとも続いちゃう。

それだけは絶対に絶対にいやだから…。

…よしっ!!

「大樹!!!」

大きい声で叫ぶと、

愛しかったその瞳は私をとらえた。


うぅ、、緊張…。

「お、おはよう!!昨日はその、なんか、変なことしちゃって──────「うん、おはよう。琴羽。」

私が言いかけたところで、大樹は、

さえぎった。


いま、わざと?

私の昨日の恥ずかしいことを言わせないために?

「ご、ごめんね。大事な時間邪魔して。どうしても、気になっちゃって…ほんとにごめんなさい!」

でも謝らなきゃ。

大樹の優しさに甘えられるのは彼女だけ。

深く頭をさげると。


「くくっ」

と大樹のクセのある笑い声。

久しぶりに聞いた。


「いーよ。謝ってくれてありがとな。」


「え、う、うん!?」

あ、声裏返っちゃった。

恥ずかしい……。


「くくくっ…もー朝からやめてくれよ、」

大樹はずっと笑ってた。

私たちは久しぶりに一緒に、歩いた。


「あのね、大樹はこれからもずっと幼なじみでしょ?」

「うん。」

「恋人っていう関係は、終わってしまうけど、幼なじみっていう関係はどうやっても離せないんだよね。だから、別れただけで大樹と喋んなくなったり、気まずくなるのは、絶対にいやで……」

「うん、俺もそう。避けて、ごめん。男がすることじゃあなかったよな。」

大樹は、久しぶりに私の目をみて誤ってくれた。


「ううん。…だから、これからね、普通に喋りたい。春姫先輩との仲は絶対邪魔しないし、その二人の関係以上に仲良くはならないから…だめ?」

ちらっと大樹をみると、

大樹は、優しく微笑んでいた。

どきん。

「うん。俺もそうしたい。…正直に話してくれてありがとう、琴羽のそーゆとこ、いいとこだよな~」

どきん、どきん。

ああ、どうしよう。

こんな、こんな素敵なことがあって、

私に忘れろって?

そんなの……。


「大樹くん、おはよ?」

そこに、春姫先輩。


「今日は遅いから来ないかと思った…」

「ごめん。」と、大樹。



二人は横並びになってあるく。

私おじゃまだね。

春姫先輩は一瞬こっちをみて、ニコッと笑った。

「あ、すみません!私が引き止めてたんです…あと昨日は二人の時間邪魔してすみませんでした!」

私は謝ると、そのまま、

学校まで走った。



好きだ。

まだ、私は大樹に恋をしている。

叶わない恋でも。