先輩と別れて、教室に帰ると、

時速1万キロくらいの速さで沙羅が飛んできた。

「ちょっと~?どこいってたわけ?」

「あはは、、ごめんって!…えっと、ようく…あ、高山先輩と!」

私が喋ると、

周りの目は一気に私に集まった。


「え!?琴羽ちゃん、よう先輩と喋ったのー?!?」
「うそでしょ!?」

え、なんで、こんなにみんな……。


そこに気をきかした沙羅が、

「違うわよ、高山先輩が、誰かといたのを見たーってはなしよ。」

って言ってくれて、

みんなはなんだあ~て感じで戻っていった。


私たちは静かに自分らの席に戻る。

ちっちゃい声で沙羅が私に聞く。


「で?高山先輩がなに?」

「あ、えっとね、お昼、食べた、…お弁当残っちゃったけどいまからたべる!」

「入るの?」

「はいるよ!少食じゃないし!」


私は自分のお弁当に手をつけ食べ始める。


正直、いちごディッシュとプリンだけだからお腹すいたんだよな~。

それにしても、ようくんはあれ全部食べたんだよね。すごいな、ふふ。



「おい、琴羽。にやけてんぞ。」

沙羅に言われて気づく。

「え、にやけてないよ!?」

「ふふ~ん、そっかぁ、琴羽ちゃんは大人気の先輩、高山先輩に恋をしちゃいましたとさってかんじ?」


沙羅!?なんてことを!?

確かに、かっこよくて、素敵だけど。

好きじゃないし。好きじゃないし。


私には、まだ、。


「好きなんかじゃない、よ」

「あっそ、早く食べんなよ」

「うん!」


沙羅はいつも余計なことを聞かない。

私が話すまで絶対にまってくれる。

ありがとうね、