お菓子とオレンジジュースを持ったヨウくんは私に近づいてくる。



私が

「あ、えっと、アルバム、見たくて…」

と言うと、

いいよ、って笑ってくれた。



アルバムを手に取り、めくる。



あ、早速1組にヨウくん発見!


「うわあ、可愛い…なんか今も素敵だけどこっちも素敵!」


全部かわいいな〜

いやされる。




でも、

「…!」


あるページには、


クラスの集合写真なのに、


何故か、ヨウくんと春姫先輩が、

隣同士で写ってるものが何枚かあって。



もちろん今の彼女は私だから、


こんなこと気にしなくていいはずなんだけど。



ヨウくんの柔らかい笑みが、


すごく、春姫先輩を好きって言ってるみたいで。


写真でも伝わるってすごい。



私は同じくらい好きでいてもらってるのかな。


ネガティブになるのはやめたいのに、


どうしても、考えちゃう。



もー、しまおう。


私はアルバムをパタン、と閉じて棚に戻す。




ヨウくんに悟られないように、


笑顔でヨウくんのほうをみたはずなのに、




「こと?」

って、心配そうな顔するから。



なんだか泣きたくなってきて。


「ち、ちがうんです。ただの私の勝手なヤキモチなんです。」


ヨウくんは一瞬驚いた顔をした。


けどすぐ、いつもの笑みにもどって、


それもしかも、嬉しそうな。


「おいで」


と腕を広げられ、

私はヨウくん脳での中にすっぽり、おさまった。



「中学のアルバム、ね。…別にいーじゃん。俺、今誰がいっちばん大好きか知ってるでしょ?」

ヨウくんは、私の頬を撫でる。



あやすみたいに。



「…しって、るかも」


「かも、じゃない、あはは!」



「ヨウくん、めんどくさくて、ごめんなさい…」



「なにがめんどくさいの?むしろ可愛い」



そんな甘い言葉と共に、


唇にキスが降ってくる。



「ん…」


そのまま、


ベッドにゆっくりと、


おろされた。