久しぶりの授業がおわり、


放課後。



授業をしてても、考えるのはヨウくんのことばっかり。



ヨウくんのとこ、行こうかな。


帰っていくクラスの子に手を振る。



そして、携帯を取り出して、



電話。



何回かしたけどやっぱり、緊張するなあ。


かけるボタンをおそうとした時、



ピロリンピロリン♪

携帯が鳴る。



わっ、ヨウくんから…!


慌ててでる。



【は、はい!】


【あ、今から迎えに行くから教室にいて】


【はい!】



短い電話だったけど、

すごく、声がかっこいい。



私、ほんとにヨウくんに依存してる。


こんなの、だめかなあ。



触れたい、キスしたい、って思うの私だけかなあ。



しばらくすると、



ヨウくんがやってきた。



ちょっと急いだのか息を切らしてて。




素直になるのは難しいけど。


せっかく仲直りしたんだから。




「ヨ、ヨウくん…!」


帰ろうとする、その背中に、呼びかける。



いつのまにか、

教室には、私とヨウくんだけだった。



「ん?」


振り返るヨウくん。



きもい、って思われたら……。


ううん。その時はその時。


逃げちゃ、ダメ。





「も、っと、触れてほしい。キスもしたい。冬休み、全然出来なかった分取り返したい…です」


俯く私。


沈黙の時間がすごくこわくて。



あーもう逃げたい。


「あ、ごめんなさい、きもいですよね」


そう言って顔を上げると、


ヨウくんの手がするりと伸びてくる。



ヨウくんの顔は赤くて、でも切なそうで。



「違うって…あーもう…俺やだ」


私の頬を撫でるヨウくん。



壊れ物を扱うかのように優しかった。



「この前いっぱいキスしたでしょ?その時、もー歯止め効かなくて危なかったんだ。たぶん、これ以上、ことに触れたりキスしたら、ことに嫌われちゃうことすると思う、から」



はぁー、とため息を吐くヨウくん。



なん、だ、そんなこと。


ヨウくんにとってはそんな事じゃないかもしれないけど、


なんだかすごくホッとした。



「ヨウくん。私、ヨウくんなら大丈夫、です、よ?」



いとおしい人を目の前に、


私は、



なんてことを言ってしまったんだ。