そんな俺の前に1人の少年が立ち止まった

初めてだ…この夢を何度も見てるのに

立ち止まった人なんて誰一人いなかったのに


俺は恐る恐る顔を上げる

そこには俺の仮弟の火矢問の姿があった

「…………かやちゃん?……」

火矢問は何故か泣いていた

そして俺を抱きしめる

「やっと分かってあげられた…レオが苦しんでいる理由が」

そんな事を言い出した火矢問に俺は疑問を持たなかった

何故ならきっとあの時の言葉をずっと火矢問は忘れてなかったからだ

「っ………かやちゃん……ごめんよ!俺自分勝手なばかりに伊豆まで…ごめん!ごめんなかやちゃん!!」

涙が溢れる