箱の中にあったのは、シルバーの小さなダイヤモンドが中心に1つ輝いていている指輪だった。

『これ…』

『これを俺だと思って持っていてほしい』

指輪を母の左手の薬指にはめて、堂園は両手で母の左手を包み込む。

『君なら、わかってくれるよな?』

悪魔の囁きだった。
母はその言葉を信じてしまった。