ん?誰かいる。
窓際の机に突っ伏して寝ている。
よく見てみると神堂くんだ!
寝てる時の顔も物凄くかっこいい。私が見とれていると、


「月下、見とれてないでちょっと下がってろ
。」

「…っ!み、見とれてないよ?何するの?」

「いいから下がってろ。」

「う、うん。分かったよ。」


私は神堂くんから離れた。
黒川くんは私が神堂くんから離れるのを見ると、勢いよくスマホを神堂くんめがけて投げつけた。


あぶないっ!
反射的に私は目を閉じた。


パシッ!


私が想像していた鈍い音はせず、何かを受け取める音がした。

恐る恐る目を開けると、神堂くんがスマホを握りしめていた。
笑顔で黒川くんを見つめていたが、目が笑っていない。
その笑顔が怖いです…


「やあ、来たんだね。来て早々の挨拶がこれ?」

「俺の前で寝てる奴が悪いんだろ。」


とりあえず当たらなくてよかった。


「咲羅、来てくれてありがと。
あ、それと俺のことは神堂くんじゃなくて
琥珀って呼んで?」


ええーっ?!
いきなり呼び捨てですか?!


「咲羅に琥珀って呼んでほしい。」


そんな子犬のような目で見られたらやばいですよ。
反則だよ。


「で、でも。いきなりは失礼だよ。」

「俺がいいって言うからいいの!
ね?お願いっ」

「う、うん。こ、琥珀くん…」


彼は嬉しそうに私の頭を撫でた。
私の思考はついていけずパニック状態。


「白、そんなことしてないで話とはなんだ」


あ、そういえば黒川くんは琥珀くんのこと白って呼ぶけど何でだろう?


「それも今から話すよ。あと、咲羅の心の声
全部聞こえてる」クスッ

「え、嘘!でも私何も喋ってないよ?
なんで分かるの?」

「それも含め咲羅には話さないといけないこ
とがあるから。少しずつ理解してほしい。
今から話すことは全て本当だからね」


襖が開き家の使いの人がお茶を持ってきてくれた。