学校に着くと、

少し止まって、

後ろを振り向く。

すると、

渚はほかの男子と話していた。

私はあまり気にせず、

前を向き、教室までスタスタと歩き始めた。

教室に入ると、

まだ生徒は数人しか来ていなかった。

こんなにいないんだ。

凄いな。

少し新鮮な感じだった。

すると、同じクラスの優里が話しかけてきた。

「今日、夏ちゃん早いね!

どうしたの?」

「ちょっと、早く来てみたくてさ!

でも、あんまり早くも遅くても変わらないね。」

「そうかな?

早く来るとね、

誰もいない教室が凄く面白いんだよ!

あっ!でも1番に来ないと見れないけど!」

「そうなの?

どう面白いの?」

「それは秘密だよー!

自分で確かめてみないと!」

「じゃあ起きれたらもっと早く来てみようかな」

「でも、

いっつも私が1番だもん!」

と自慢げに優里が言った。

秘密…………か……………………

渚も同じ秘密を持ってたなんて。

「夏ちゃーん!夏ちゃーん!!」

「うわ!な……何?」

優里に耳元で叫ばれて、

驚いた。

「七海ちゃんが呼んでるよ!」

優里の指を指した方向には、

七海が手を振って、

待っていた。