少しの沈黙が流れて


「…何故そんなことを聞く」


そんなことって…僕にとっては大切なことだし


「看守さんを呼ぶときになんて呼べばいいか分からないから

あと…2週間なんだし

最後くらいは仲良くなりたいなって」





なんか急に可笑しくなった
少し、寂しい


「もうすぐ死ぬのに変な理由だけどね」



その時看守さんと目が合った

真っ赤な目は一切光を差さない濁った目



彼女に何か闇があるのはよく分かる
僕より幼いのにこんな仕事についていることからも…

でもなんとかなると思う
楽観的すぎるけど

生まれた瞬間は皆同じだったんだから…



その彼女の目が若干訝しげに細められる