「でも、ヤスさん…」




「何だ」







「俺は、たとえヤスさんの言っていることが真実でも




なぜかあいつを噂のように冷酷で、感情がない、無慈悲な人形だとは思えないんです



なにかうまくは言えないけど…



ただ抱えるものが多すぎただけの弟思いな孤独な少女に見えるんです…」







どこか悲しそうな目で

弥彦はつぶやいた





「…そうだな








生まれた場所が違えば、彼女は普通の子供のように

無邪気に笑っていたんだろうな…」















この国は、間違いが多すぎる









ただ今は、優と兄ちゃんとそして、あの少女が



幸せになりますようにと星を見上げて願うことしかできなかった