「あの日は…税金の引き上げ日だったんだ



物価も最近どんどん高くなってきて、俺たちの暮らしはきつくなってく一方だった



だからここらへんのグループと、ホームレスたちと結託して

貴族の屋敷に食べ物を分けに貰いに行こうってことになったんだ





あいつらに頼みなんてしたくないが、くだらないプライドなんか気にしてたら

皆餓死しちまう





姉ちゃんよぉ、さっき犯人が間違って捕まったとかいってたな


あれ、本当なんだよ…」




俺はぽつり、ぽつりと言葉を紡ぐ


俺たちの無念だけでも伝わってほしいんだ…



俺の記憶は、事件の日に飛んでいた


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