でも答えてもらうまでは譲るわけにはいかないとじっと楓月くんを見つめ続ける。



やがて観念したのか楓月くんは深いため息をついた。



「…少し休憩しようか」


楓月くんは持っていたシャーペンを机に置いた。



そして私を見てはどこか悲しそうに微笑んだ。



「…好きだよ。ずっと前から。
この気持ちは再会してからも変わらない」

「…そっか……」



楓月くんの表情があまりにも悲しそうで素っ気ない返事しかできなかった。



どうしてそんなに悲しそうにするの?



だって今も美織のことが好きなんでしょ?



だったら…



「美織に想いを伝えようとしないの?」

「この気持ちを美織に言う資格は俺にはないから。
俺は美織を傷つけた。
それなのにこの気持ちを言って、美織を困らせたくない」