私がいつもここで一葉ちゃんの応援をしている理由を説明すると、妃波くんが素敵だねと返してくれた。
そう言ってもらえて、なんだか嬉しくなる。
「なに、顔赤くしてるの」
「え?」
私の隣に座った裕くんが、私の顔を覗き込んで、不機嫌そうな顔をする。
「なんか、ムカつく」
「む、ムカ……?」
私には、裕くんにムカつかれる意味がわからない。
それよりも顔が赤くなっていたことに恥ずかしくなる。
「違うよ。俺がムカついてんのは龍だ」
「ははは、本当、わかりやすい奴」
「何が?何がわかりやすいの?」
私と裕くんのやり取りを見て、何故か妃波くんは笑っている。
裕くんがからかわれているところなんて初めて見るから、私の頭の中はハテナだらけだ。



