「…な、何描いてるの!?」 「ん?秘密。…よし、できた」 恐らくだけど、俺が踏み込まれたくないと思っていることに気がついたのだろう。 話題を変えてきた。 けど、俺はその答えをはぐらかし、絵を見せることなくスケッチブックを完成させ片付ける。 「…それで?一葉ちゃんはどうしてここに?」 「あっ!」 思い出したように声を上げる一葉ちゃん。 「今度花火大会あるでしょ? それにいっしょにどうかなって…思って……」