「一葉ちゃん、僕になにか用……って、寝てるし」 美術室に入ると気持ち良さそうに眠っている一葉ちゃん。 随分待たせたみたいだし、別にいいけど。 とりあえず、何か用があるなら起きるのを待つとしようか。 そう思いながらスケッチブックを取り出す。 何を描こうかと悩む。 その時、開けられた窓からふわりと心地良い風が入ってきて、彼女の黒い髪を揺らした。 「……決めた」