ーーーーーーすぐには、
思い出せなかった。
でも、その人の、揺れる瞳を正面から
受け止めて、
気づいた。
「っ……鈴、原…くん?」
「……あぁ」
……なんで。またこの人が。
わたしの前にいるの。
…無理。視界がぐらぐらして…
わたしは再び意識を失いかけて…
「……小学校のとき、本当にごめん。」
…なんとか倒れずに済んだ。
だってわたしには、鈴原くんが謝った
ように聞こえたから。
聞き間違い…では、ないよね?
わたしが戸惑って立ち尽くす間にも、
鈴原くんは頭を下げ続けている。
「…………ぁ、の……。」
かすれた声が、
まるでわたしのじゃないみたいに
口から漏れた。
声が、、でない。
イヤ、ここに居たくない。
わたしは鈴原くんを置いて下駄箱へ
駆け出した。
後ろから鈴原くんが
わたしの名前を呼んでいるけど
振り向かず走って、走って、
走って
息ができないほどに全力疾走して
わたしは
登校したばかりの学校から逃げて
自分の部屋のベッドに倒れこんだーーーー
